後遺症が残る場合は示談は慎重にする

被害者と加害者(保険会社)との話し合いがまとまれば、示談書が作成される。示談書は一度作成されれば、その内容について後で変更することは、原則としてできない。したがって、逸示談交渉を始めてもいいが、通常は退院後に示談交渉を開始する。後遺症があるとき、または後遺症が出そうなときは、後遺障害等級の認定が出るまでは示談交渉には入れない。後遺障害のある時は、損害賠償額がさらに高額になるからである。

では、後遺症が無いと思って示談したが、その後で後遺症があると分かった場合はどうするのか。一度示談をすると、原則としてその内容は取り消す事が出来ないが、判例で示談成立後の後遺症について損害賠償の請求を認めている。

なお、示談交渉で注意することに時効の問題がある。交通事故などの損害賠償の請求権の時効は、事故発生日(起算日)から三年。ただし、保険会社に対する保険金の請求権の時効は二年。この年数を経過すると、損害賠償請求権は時効により消滅し、請求できないことになる。

ただし、後遺症については例外が設けられていて、後遺症の場合の損害賠償請求権の時効は、後遺障害認定時(後遺症についての医師の診断書が出た日)が時効の起算日となるので、注意が必要。